欧州復興開発銀行の初代総裁やミッテラン大統領顧問などを務めたジャック・アタリ氏の「教育の超・人類史」は分厚いけれど、世界の教育史を学べる興味深い本です。
そのなかで特におもしろかったのが、スウェーデンの優れた教育制度が新自由主義的な教育改革のせいでわずか二十年ほどで崩壊寸前になった例です。あまりに衝撃的なので、そのまま引用します。
スウェーデン:20年間で学校制度が崩壊寸前になったわけ
17世紀以降、教育の先端を進み、社会的平等と児童福祉の分野を索引してきたスウェーデンは、この20年間ですべてを台無しにしようとしている。1980年代末、スウェーデンの学校はほぼ国営で、小中学生の99%は公立学校に通っていた。20年前までは、スウェーデンの教育は優れた成果を収めてきた。
ところが1988年、教……