政治の動きと分析

政治の動きと分析

家産制国家化する日本

フランシス・フクヤマ氏の新刊「政治の衰退」から再びです。最初に用語の定義から入りると、「家産制国家」とは「領土や人民などがすべて君主の私有物となされる国家。封建時代の国家、ことに領主国家がこれにあたる」と定義されます。 フクヤマ氏は...
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政治の衰退:安倍政権の例

フランシス・フクヤマ氏の新刊「政治の衰退」を読んでいて「なるほど!」と思う記述に出会いました。  政府の質を見るにはもう一つの側面がある。(中略)それは、どの程度の自律性を政府が持っているか、である。民主主義国の国民であれ、権威主義...
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フェイクニュースと米国保守

最近出た「デジタル・ポピュリズム」という本には、「偽ニュースは保守層でひろがりやすい?」という見出しの下に次のような記述が続きます。 ニューヨーク大学で心理学を研究するジョン・ジョスト教授は、保守層とリベラル層の批判力を比較した。「...
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政権交代期待できる状況を

毎日新聞(6月29朝刊)の「オピニオン(論点)」欄は「民主主義担う政党とは」という特集を組み、吉田徹教授(北海道大学、比較政治、欧州政治)の「政権交代期待できる状況を」というインタビュー記事を載せていました。吉田教授の発言を抜粋する...
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イスラエルの戦略的な戦略欠如戦略

日本人は「戦略」が好きです。書店に行くと「戦略」というキーワードがタイトルに含まれる書籍が数えきれないほどあります。軍事用語としては、「戦略」「戦術」「戦闘教義(ドクトリン)」といったレベル別の言葉がありますが、すべてひっくるめて乱...
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石原信雄官房副長官 回顧録【書評】

竹下内閣(1987年)から村山内閣(1995年)まで7つの内閣で内閣官房副長官を務めた石原信雄氏の回顧録が出版されました。激動期に多くの短命政権に仕えた「名官房副長官」です。石原副長官は、文字通り「余人をもって代えがたい」官房副長官...
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いま永田町で起きていること

森友文書の改ざん問題は、国会周辺(永田町)に大きなインパクトを与えています。安倍政権にとって最大の危機だと思います。いま永田町でいろんな動きがありますが、大雑把に5つにまとめてみました。 1)9年ぶりの自民党政権の守勢 ここまで自民...
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安倍政治の終わりの終わり

森友文書改ざん問題は、安倍政権にとって致命傷です。公文書の改ざんという犯罪行為に財務省が組織的に関与していたわけです。財務省による「組織犯罪」であり、政治家が関与している可能性が濃厚です。 国会が要求した資料が改ざんされていたという...
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政府4演説(首相、外相、財相、経済財政相)を聴いて

昨日は衆議院で政府4演説(総理大臣、財務大臣、外務大臣、経済財政担当大臣)の日でした。4人の各大臣の性格のちがいが出ていておもしろいです。 まず安倍総理の施政方針演説。安倍総理のように「昔はよかった」と言いたがる復古主義者は、明治維...
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今年の政治課題

明けましておめでとうございます。昨年1月の最初のブログを読み返してみると「2017年は反転攻勢」という文章でした。2016年は参院選で自民党が圧勝し、トランプ大統領が誕生し、政治的にはひどい1年でした。2017年こそ「反転攻勢」とい...