現職衆議院議員のころは、国会図書館を自由に使え、衆議院調査局や各省庁も資料を読み切れないほど大量に届けてくれて、政策を勉強する機会とリソースはたくさんありました。どの役所も依頼すれば資料をすぐに届けてくれるし、国会図書館にない本はほとんどありません。各省庁は頼まなくても法案説明などの大量の資料を送り付けてきます。どの役所も与野党の国会対策委員会(いわゆる国対)には気を使い、国対一筋で9年間やってきた私のところに1日に届く資料は4~5センチという厚さでした。全国会議員向けに新刊本を送ってくる出版社や著者も多いです(迷惑なトンデモ本も多いです)。
しかし、落選して浪人中の身では、政策を勉強するにも困難がともないます。国会図書館のように便利な図書館はなく、役所も資料をすぐに届けてくれません。昔からの知り合いの官僚は、頼めばこころよく資料を送ってくれますが、浪人中の身なのでちょっと気を使います。大きな書店に行くにも電車に乗って行く必要があり、頻繁には行けません。
学術書などは高価なので気軽に買えません。読みたい本があっても、図書館で借りられるなら図書館で借りたいと思うし、ブックオフで買えるなら古本で買いたいと思ってしまいます。良い本は手元に置いて、何度も読み返したり、文章を書くときに引用したりしたいのですが、高い本はちょっと考えます(あきらめることも多いです)。
それでもいろんな人が本を送ってくれるので助かります。8年ほど前に岩波書店のオピニオン誌「世界」に投稿したことがあるのですが、それ以来、岩波書店は毎月「世界」を送ってきてくれます。義理堅い出版社です。オピニオン誌の長所は、ふだん関心の薄い分野の記事を何気なく読むことができ、関心領域を広げられる点です。「世界」を購読していなかったら、一生関心を持たなかったテーマもあります。また、岩波書店から出ている教育関係の本も時々送ってくれます。著者が献本先に指定してくださったのか、岩波書店のご厚意なのかわかりませんが、教育学の学術書は高価なだけにありがたいです。
付き合いのある学者や評論家もご自身の著書を送ってくれます。政治学者や国際政治学者の知り合いが送ってくれる本はとてもありがたいです。親しい学者が書いた本ですから、当然ながら興味深く読めます。さらに「こんな本を読んだらいいよ」という感じで自分の著書じゃない本を送ってきてくれる友人もいます。友人が厳選して送ってくれる本はどれも感銘を受ける本が多く、視野が広がります。
いろんな人がご厚意で興味深い本を送ってきてくれるので、学び続けることができます。本当にありがたいです。落選中で心細い時期だけに、ひとの親切が身にしみます。浪人中の私のような者にわざわざ本を送ってくれる人たちは、きっと期待してくれているのだと思います。そういう人たちの期待に応えるためにも、何としても衆議院に戻らなくてはいけません。いつになるかわからない解散総選挙に向けてがんばりたいと思います。
当選するのも大事ですが、当選した後に国会で結果を出すことはもっと大事です。次に当選できたら衆議院議員4期生になるので、もう「若手議員」とは呼ばれません。民進党は引退する重鎮議員が多くて世代交代が進みつつあります。国政に復帰できたら「中堅議員」になるはずなので、責任あるポジションを担っていかなくてはいけない立場になります。単に再選をめざすだけではなく、衆議院議員に復帰したらすぐにバリバリ仕事ができるように、今のうちにしっかり勉強しておきたいと思います。