民進党の代表選、あんまり盛り上がっている印象がありません。報道もされません。蓮舫さん1強の流れがあるようで、政策論争が行われている感じもありません。野党第一党であり、政権政党をめざす政党の代表選だから、もっと盛り上がってほしいものです。
代表選の立候補を考えている人は、推薦20人を集めることよりも先に、政策の旗を掲げることを優先してほしいものです。「推薦人20人が集まるかどうか」ばかりが話題になりますが、数合わせ的な推薦人集めよりも先にやるべきことがあると思います。
それは、どんな社会をめざすのか、どんな政党にしたいのか、次の総選挙でどんな政策を柱にするのか、代表選公約としての「政権構想」を掲げることだと思います。自分が野党第一党の党首になって政権政党をめざすとすれば、どんな国をつくりたいのか、それを体系的に語るべきだと思います。
代表選に立候補を表明している蓮舫さんも、どんな社会をめざすのか、どんな政党にしたいのか、明確に示すべきだと思います。少なくとも蓮舫さんのホームページには、詳しい政権公約はないようです。報道を見る限り、重点政策などもわかりません。
その他の候補者のなかでは、前原さんが岩波書店「世界」の今月号でめざす社会について具体的に語っていますが、その他の候補者はまだだと思います。
かつて自民党の総裁選では、総裁候補がカラーのパンフレット形式の総裁選公約をつくるのが通例でした。派閥の中堅・若手議員があつまって公約集をつくり、総裁選に勝ったあかつきには、それが自民党の政権構想の核になるという仕組みです。そういう点は、民進党もまねしたらよいと思います。
とにかく国会議員だけで集まって、数合わせ的に代表を選んではいけないと思います。派閥(グループ)のリーダーや長老が集まって無投票で終わらせることになったら終わりです。民進党が進むべき方向性について活発に議論する代表選をやっていただきたいと思います。
党内の亀裂を恐れるあまり、八方美人的な公約しか掲げないとすれば、あとあと苦労することになると思います。いくつかの大事な争点に関しては、党内外の反発があったとしても、方針を明確にすべきだと思います。
代表選挙というのは、党員やサポーターも含めてみんなで参加して盛り上げ、みんなで選んだ代表をみんなで支えるというプロセスをつくるための一大イベントです。各候補者が自らの政権構想を語り、開かれた代表選、活発な政策論争、参加型の討論で、代表を選んでいくことが大切です。
これから代表選の立候補予定者の皆さんには、推薦人集めに力を入れるのと同じかそれ以上に代表選の公約(政権構想)づくりに力を入れてほしいと思います。そもそも代表選に立候補を考えるほどの政治家であれば、日ごろから考えてきた政策が頭のなかにいろいろあるはずです。それをペーパーにまとめるだけのことなので簡単だと思います。どんな代表選挙公約が出てくるのか、大いに期待したいと思います。