昨日(8月28日)安倍総理が辞任を表明しました。体調不良で総理を辞めるのは2度目ですが、まさか同じ理由で総理を辞任するとは予想していませんでした。驚きました。
よほど体調がお悪いということもあるでしょうが、臨時国会までに自民党総裁選を終えて新総理が組閣する時間を考えると、いまがベストのタイミングという判断だったようです。
安倍総理は記者会見で「コロナ禍のなかにおいて、政治的空白を生み出さないようにする上で、このタイミングで辞任するしかないと判断した」と言いました。
その意図を推察すると「政治的空白を生み出さないためには、党員投票をやると時間がかかるので、通常の総裁選ではなく、国会議員と都道府県連代表だけの投票(両院議員総会)で決めた方がよい」ということです。
おそらく党員投票をやると石破氏が有利になるので、安倍総理の意中の後継候補者を勝たせるには派閥の力学で決まる両院議員総会での新総裁選出が望ましいという判断だと思います。両院議員総会での新総裁選出の道筋をつける意味でも「政治的空白を生み出さないように」と言ったのでしょう。
次の総裁・総理が誰になるかはわかりませんが、その人物の考え次第で解散総選挙の時期が決まってきます。
常識的に考えれば、「政治的空白を生み出さないため」に時間短縮の両院議員総会で自民党総裁選をやるのであれば、それ以上に長期間の政治的空白を生み出す衆議院選挙はやれないはずです。コロナ禍のたいへんな時期に、政治的空白を生み出してコロナ対策を停滞させ、「三密」を生み出す総選挙をやるのは非合理的です。新総理が常識のある人だったら、就任直後の解散総選挙はないと思います。
しかし、新総理が「総選挙に勝つ」ということだけを優先すれば、就任直後の解散総選挙もあり得ます。一般的に就任直後は「ご祝儀相場」で支持率は高くなります。ご祝儀相場が続いているうちに、そして何かのスキャンダルが出る前に、解散総選挙をしたいという誘惑はあるでしょう。
国民全体の利益を考えれば、コロナ禍の真っ最中に解散総選挙はあり得ません。しかし、新総理が「総選挙に勝つ」という自己利益と党利党略を優先すれば、解散総選挙の可能性は否定できません。
立憲民主党としても念のため総選挙への備えを固める必要があります。合流する新党設立準備と同時並行して解散総選挙に向けた体制づくりに取り組みたいと思います。