蓮舫代表が辞任表明されました。短い間でしたが、お疲れ様でした。自ら身を引くのはつらかったと思います。衆院選への出馬を表明したばかりだったので、てっきり続投されるものと思っていましたが、意外な展開に驚きました。
蓮舫体制の成果としては、「尊厳ある生活保障総合調査会」という地味ながら重要な調査会を設置し、次の衆院選の軸になる政策を検討したことが挙げられます。慶応大学の井手英策教授を中心に議論し、民進党内の意思統一に向けて努力してきた点は評価できます。
世間の人は「民進党は批判ばかり」と批判します。しかし、めざすべき社会のビジョンを議論する「尊厳ある生活保障総合調査会」のようなものが存在するにも関わらず、あまり報道されません。政治の世界では、「報道されないことは、存在しないのと同じ」というのが実情です。残念なことです。
仮に野党が建設的な提案をしても、ニュース価値は低いため、ほとんど報道されません。私も野党議員として議員提出法案の作成に何度も関わりましたが、よくても新聞のベタ記事扱い程度です。ひどい時は法案を提出しても報道してもらえません。そのことを嘆いても仕方ないので、どうすれば報道され、多くの国民に知ってもらえるかを工夫し、上手な「政策コミュニケーション」を実践していくことが大切です。
さて、蓮舫代表辞任にともない、近いうちに代表選が行われます。代表選は、政策論争を戦わせ、議論を深化し、党としての方向性を決める上で重要な機会です。民進党が前向きかつ現実的な政策を提案できる政党であるということを、多くの国民に知ってもらう絶好のチャンスです。党内の足の引っ張り合いではなく、正々堂々と政策論争をして、進むべき方向性を決めていくのが、代表選の意義だと思います。
代表選に出る人の顔ぶれもすでに話題になっているようですが、何よりも代表選における活発な議論を期待したいと思います。その上で新しい代表の下で一致団結して、これまでの党のあり方で反省すべき点は反省し、政権担当能力のある政党をめざし、党の改革と党のビジョンづくりに取り組んでもらいたいと思います。