2017年は反転攻勢

政治の世界、国際情勢を見ると、2016年は決して良い年だったとは思えません。

英国のオックスフォード辞典は、昨年の「今年の単語(international word of the year)」に“post-truth”を選びました。直訳しにくいのでカタカナ語になっていまいますが、「ポスト真理」とでも言い表せます。その定義は次の通りです。

世論形成において、客観的事実が、感情や個人的信念に訴えるものより、影響力を持たない状況

Defined by the dictionary as an adjective “relating to or denoting circumstances in which objective facts are less influential in shaping public opinion than appeals to emotion and personal belief”

*ご参考:https://www.theguardian.com/books/2016/nov/15/post-truth-named-word-of-the-year-by-oxford-dictionaries

 

2016年はトランプ現象をはじめ“post-truth”政治の全盛を思わせる不吉な年でした。安倍政権もトランプ現象以前から“post-truth”政治の色彩が強い政権です。勇ましい標語、抽象的で空疎な「美しい国」のようなスローガン、総理大臣とは思えない乱暴な言葉づかいや詭弁の数々。 

安倍政権の反知性主義を読み解く本: 佐藤優 「知性とは何か」
安倍政権に対しては「反知性主義」との批判があります。トランプ現象のように移民やイスラム教徒への排斥も、「反知性主義」の表れとされることもあります。では、具体的に「反知性主義」とは何か、そもそも「知性」とは何かを知るのに良い本が、佐藤...

しかし、その安倍政権が昨年夏の参議院選挙で3分の2の議席を制し、「安倍1強」の政治が続いています。強引な国会運営も、アベノミクスの不調も、格差拡大を招いた経済政策も、危うい方向に進む外交安保政策も、国民の支持を受けた形になりました。2017年はこの流れを変える年にしたいものです。

個人的には昨年1年は私にとって長く感じました。いろんなことがありました。自分なりに試行錯誤しながら前向きに仕事をしているつもりですが、浪人中の身でひとさまのお役に立ったことはあまりなく、周囲の人たちに助けてもらってばかりでした。

昨年2月に党内手続きを経て正式に福岡3区総支部長(=衆院選公認候補予定者)に決まったばかりの段階で衆参同日選挙の予測もありました。幸いそうなりませんでしたが、もし衆参同日選挙だったら悪夢でした。

昨年9月には民進党代表選があり、残念ながら私が投票した代表候補は破れました。民進党への関心が高まり、新代表のもとで支持率が上向くことを期待しましたが、そうはなりませんでした。単に表紙を替えるだけではダメで、「民進党は変わった」と思われるような大転換が必要だと思います。民進党のめざす方向性を明確にし、未来へのビジョンを示すことが、蓮舫代表の使命だと思います。蓮舫代表には、党内で真剣に議論をして、安倍政治に対する骨太の代替案を示していただきたいと思います。

その後も11月解散総選挙説、年明け解散総選挙説など、いつも「衆院選が近い」と言われ続けてきました。日露交渉がうまく行けば「北方領土解散だ」という憶測もありました。ずっと選挙の陰に脅えながら、日々の活動に励んできました。反面「選挙が近い」という声があったからこそ、緊張感をもって日々の仕事に励むことができたとも言えます。

年明け解散はないとしても、今年の秋や冬には解散総選挙がやってくる可能性は高いです。今年は勝負の年になります。何としても衆議院にもどってバリバリ働きたいと思います。

トランプ現象、英国のEU離脱など、没落する中間層の反乱が政治を大きく動かしています。日本でも格差による分断を避け、分厚い中間層を基盤とした社会をもう一度築いていく必要があります。いまこそ新しい社会モデルが求められます。国政に復帰して新しい政治モデルをつくる中心になりたいと思います。そのために今年1年全力でがんばります。どうぞよろしくお願いいたします。