私の手づくり「行政監視院法案」提出

本日(6月20日)、衆議院に「行政監視院法案」を提出しました。野党5党(立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社民党、社会保障を立て直す国民会議)で共同提出した議員提出法案で、私も提出者のひとりです。私が取りまとめにあたってきたので「私の手づくり」といっても言い過ぎではないと思いますので、あえてそう書きました。

きっかけは野党党首会談でおおむね次のようが合意ができました。

安倍政権では政府の隠ぺいや改ざんが当たり前になっているが、国会の行政監視機能が十分働いていない。国会の行政監視機能を強化すべき。今国会中に行政監視のための組織づくりの法案を提出しよう。

その結果、野党第一党の立憲民主党を中心に法案を取りまとめることになりました。国会改革に関係するので、党の国会対策委員会に関係します。もちろん法案づくりなので、政務調査会が事務局を務めることになり、国対と政調の合同で法案作りに着手することになりました。

その際に、元国対委員長代理、かつ、現政調会長代理の私が適任だろうということでご指名を受けました。政調に設置された「行政監視院法案ワーキングチーム」の座長になりました。

最初に、国会図書館や衆議院調査局に各国の事例を調べてもらってたたき台をつくります。次に、衆議院法制局で法案の文案を検討してもらい、その上で党内のワーキングチームで議論します。党内の先輩方への説明を済ませて、党の政調で法案の素案を議論し、政調審議会という議決機関で承認をもらいます。

続いて、他党との調整です。野党国対委員長会談の場で、立憲民主党案を各党にお示しし、各党のご意見を承ります。国民民主党はじめ各党から意見が出され、当初案の機能の一部を削ったり、定員を増やしたりと、修正作業を行います。修正した案を再び各党に投げて、やっと最終案ができます。この間の根回しも私の担当です。

ちなみに「この法案に興味があるから私にやらせてください」と手をあげたわけではありません。野党党首会談で「今国会中に行政監視院法案を提出する」という決定が先にあり、トップダウンで突然上から降りてきて、しかも締め切りは厳しいという法案でした。何とか国会閉会の1週間前に無事に終わらせることができました。

その「行政監視院法案」の内容は、国会に「行政監視院」という機関を設置し、専門調査員等をおいて行政の監視にあたらせます。行政監視はそもそも国会の重要な役割でこれまでもやってきたわけですが、この法案の新しい点は行政監視院の専門調査員に行政の立ち入り検査を行わせたり、衆議院議員21名(参議院議員だと11名)の要請で監視のための特別の調査を行わせたりすることができる点です。この法案が通れば、国会の行政監視機能はかなり強化されます。

今国会の最後に重要法案の提出に関わることができてよかったです。国会議員は米語では「lawmaker」です。「法律をつくる」という立法府の本来の仕事で役割を果たせてよかったです。国会閉会に間に合ってホッとしています。