国会にはいろんな業界用語があります。2月末になると与野党を問わず、聞かれる言葉に「キンソク」というのがあります。
わたしも最初に「キンソク」と耳で聞いたときは、何のことかサッパリわかりませんでした。博多の屋台名物の「トンソク」と響きは似ていますが、九州地方の郷土料理ではありません。
「キンソク」は「禁足」と書き、「外出禁止」を意味します。国会における「禁足」とは、国会周辺に国会議員を待機させることを意味します。通常は各党の国会対策委員会から所属議員に対して「禁足」の指示をします。
禁足は、重要法案や予算案の審議や採決にあたり、全議員を確実に本会議に出席させるため、国会周辺で待機させます。具体的には、20~30分以内に本会議場に戻れる範囲内で待機していなくてはいけません。ときには深夜まで議員会館の事務所や国会図書館、院内の国対控室などで待機します。
たまたま先約があって夜の会合などが入っていても、国会から20~30分以内で行ける範囲内の会合しか出席できなくなります。また、禁足中の飲酒は厳禁です。酔っぱらって赤い顔をして本会議場に入るわけにはいかないからです。
毎年、予算案の採決の時期になると「禁足」がかかります。今年も2月末になり、そろそろという時期になってきました。