国会閉会中は基本的に地元活動が中心です。平日の朝は駅に立ちビラを配り、昼間は訪問活動の日々です。支援者のご家庭を訪問していると、ときどき「残念」と思う瞬間もあります。「残念な瞬間」の上位5位をご紹介します。
5位 訪問先が空き地になっていたとき
地元の福岡都市圏は不動産取引が活発みたいです。アベノミクスの金融緩和の影響もあるのか「不動産買います!」みたいなチラシがしょっちゅうポスティングしてあります。土地の売買が活発なせいか、わずか半年前に訪問した家がさら地になっているケースがときどきあります。支援者が引っ越していかれるのは残念です。「半年前にはここに家があったのに、、、」という瞬間は悔しいです。
4位 集合住宅の5階で留守のとき
酷暑の今の時期、エレベーターのない中層集合住宅の5階のお宅まで階段を上がるのは正直しんどいです。冬は平気ですが、今の時期はゼイゼイ言いながら5階まで上がります。暑い時期に早歩きで階段を駆け上がると汗だくになり、息が乱れるため、ゆったりとした歩調で階段を上がります。インターホンを押す前に、ちょっと深呼吸して息を整えます。
苦労しても訪問先の方にお会いできたら、うれしくて、「5階まで階段を上がった甲斐があった」と思います。しかし、お留守のときのショックは、1階のお宅の5倍です。
以前に医療系の本に「丘の上の家に住んでいる人の方が、よく運動するので、心疾患の発生率が低い」という趣旨が書いてあったのを思い出しました。おそらくエレベーターのない中層住宅の4階や5階に住んでいたら、丘の上と同じ効果があると思います。毎日の運動になり、健康によいかもしれません。私もロンドン大学留学中はエレベーターのない学生寮の6階の屋根裏部屋に住んでいましたが、そのころは足腰が強かったような気が、、、
3位 支援者の方がお亡くなりになっていたとき
高齢化社会において避けられないことですが、支援者のお宅を訪問したら、お亡くなりになっているケースもときどきあります。ご家族の方の表情に暗くなることも多く、とても申し訳ない気持ちになります。「せめてお通夜に参列できればよかったのに、、、」と悔やまれます。
とくにつらそうなのが、「奥さんに先立たれた夫」というケースです。政治生活13年間超の間にいろんなご家庭を訪問してきましたが、「奥さんに先立たれた夫」ほど気の毒なパターンはありません。すっかり落ち込んでいらっしゃるパターンが大半です。うちの両親はさいわい健在ですが、母が先立つと父は大変だろうな、と何となく思います。女性の方が平均寿命が長いのは、神様のご配慮かもしれません。
2位 宅急便と間違えられたとき
オートロックのマンションでよくあります。インターホンを鳴らすと、何の返事もなく、いきなりドアが開くパターンはだいたい要注意です。そのままエレベーターに乗って玄関先まで行くと、ハンコを持った奥さんが立っているパターンです。すかさず「すみません」と謝り、自分の国政レポートをサッと手渡しますが、相手の落胆の色は隠せません。
この仕事をしていて気づきましたが、世の中でもっとも感謝される仕事のひとつが、宅急便屋さんだと思います。宅急便が届くときのワクワク感は誰でもおぼえがあると思います。「宅急便屋さんはどこのご家庭でも歓迎されるんだろうなぁ」と軽い嫉妬を覚えます。どこのご家庭でも歓迎されるとは限らない政治家よりも、宅急便屋さんの方が軽やかにインターホンを押せることでしょう。宅急便屋さんは肉体的にはハードな仕事ですが、それでも多くの人を幸せにしていると思います。
1位 犬にかまれたとき
これは一度しか経験がありませんが、インターホンを押そうと思って門をくぐった瞬間に、犬に太ももをかまれたことがあります。それはショックでした。それほど痛くはなかったのですが、とにかく怖かったです。家の人が出てきて、救助してくれましたが、情けないことといったらありません。もともと犬嫌いというわけでもなかったのですが、それ以来、飼い犬のいるお宅を訪問するのが怖くなりました。できれば犬との交流は避けたいと思うようになりました。
犬にかまれたことを議員仲間の飲み会で告白したら、「わたしも犬にかまれた」という議員が何人もいました。自分だけではなかったと安心するとともに、狂犬病の予防接種の重要性を再認識しました。
もちろん「残念な瞬間」ばかりでもありません。うれしいこともたくさんあります。暑い時期に訪問活動をしていると、ジュースやお茶を下さる方がよくいます。漁村のご家庭を出荷作業中にたまたま訪問したところ、「これ持っていかないか」と獲れたての天然のタイを三匹いただいたこともありました。これはうれしかったです。
当然ですが、玄関先で現在の政治へのご意見やご提案をうかがうことも多いです。皆さんの生の声を直接うかがうことができるのも訪問活動のメリットです。犬に気をつけつつ、ライバルの宅急便屋さんと競合しつつ、明日も訪問活動にいそしみます。