先日、早良郵便局に速達を出しに行こうと歩いていたら、修猷館高校の文化祭のポスターを発見しました。題して「修猷大文化祭」でした。修猷館高校といえば、黒田藩の藩校以来の名門校です。福岡県内の県立高校では、伝統や進学実績でピカイチです。
私の高校時代の進路指導の先生たちは、修猷館高校をライバル視し、「修猷館高校に負けるな」と叱咤激励していました。いつも九州大学の合格者数で、修猷館高校、福岡高校、筑紫丘高校の3校がトップ争いをしていました。九州大学の合格者数という数値が、高校教育の目標になってよいのかは今思うと疑問です。しかし、わかりやすい指標なので、みんな気にしていました。「サンデー毎日」の高校別の大学合格者数ランキングの号が売れる理由がよくわかります。春の甲子園で出身校を応援するのと似たような心理かもしれません。
わが母校の筑紫丘高校は修猷館高校をライバル視していましたが、修猷館高校が筑紫丘高校をライバル視していたかどうかはわかりません(ライバルと思っていない恐れもあります)。そんなわけで修猷館高校のことは、高校時代からずっと気になっていました。気になっていましたが、修猷館高校に入ったことはありませんでした。理由もなく高校の敷地に入ったら「不審者」として通報されてもおかしくない時代です。文化祭みたいな行事でもない限り、部外者が修猷館高校に入り込むチャンスはありません。この機会に、高校時代は「敵地」のように思っていた修猷館高校の敷地に勇気を出して乗り込みました。
修猷館高校の文化祭も、研究発表とか、バンドの演奏とか、演劇とか、ぼくらの高校生時代と変わらないことをやっています。しかし、25年前の筑紫丘高校の文化祭よりも、盛大な印象を受けました。研究発表のレベルも高いように思いました。最近の若いものは、よく勉強しています。さすが「ライバル」の修猷館高校です。
ディベート部の発表といった、ぼくらの時代にはなかったものもありました。私が高校時代に英語を教えていただいたS先生が、修猷館高校に転校してディベート部を創設したと聞いたおぼえがあります。S先生が創った修猷館高校ディベート部の伝統は、きちんと継承されているようです。
若い人たちががんばっている姿を見ると、日本の未来も捨てたものではないと思います。いつの時代も上の世代は「最近の若者はなってない」と言いがちですが、実際のところはいつの時代も若い世代が新しいことにチャレンジし、世の中を変えてきたのだと思います。修猷館高校の学生たちに期待したいと思います。うちの娘たちも、こういうきちんとした高校に通わせたいものだと思います(まだ4歳と1歳半ですが)。