福島県は東日本大震災後に積極的に再生可能エネルギーの導入に取り組んでいます。自治体だけではなく、産業界や県民、大学などとも連携して、地域をあげて再生可能エネルギーを導入し復興につなげようという、強い意気込みが感じられます。
震災前の福島県は、首都圏の電力の3分の1を供給し、電力供給量は全国一でした。福島県だけで全国の電力供給量の1割を占めていたほどです。震災後は再生可能エネルギーの推進に県をあげて取り組むようになりました。2011年3月に「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」を策定しました(2012年3月改訂)。
そのなかで2040年を目途に福島県内のエネルギー需要を100%再生可能エネルギーで生み出すことを目指しています。大胆なプランですが、そのアクションプランは予想を上回るペースで実現しつつあります。2015年度の再生可能エネルギーの割合は、第1期アクションプランの導入見込み量を26.6%上回ったそうです。県内エネルギー需要の目標値としては、2020年に40%、2030年に60%、2040年に100%となっており、かなり野心的な目標です。
福島県は、県内の企業や金融機関に出資を募り「福島発電株式会社」を設立し、地域主導で再生可能エネルギーを推進しています。行政の補助金が1億円投入されると同時に、「県民参加型ファンド」で1億円が投資され、企業も県民も参加して再生可能エネルギーを推進している点もユニークです。
再生可能エネルギーの体験学習や視察受け入れも積極的に行い、福島県をアピールする手段にもなっています。たとえば、大熊町では「大熊町ふるさと再興メガソーラー」が実施され、震災から復興にも再生可能エネルギーは重要な役割を占めていますまた、福島大学や福島高専も再生可能エネルギーの研究開発に企業と連携して取り組んでいます。行政、県民、企業、アカデミックなど、地域が一丸となって再生可能エネルギーに普及に努力しています。
福島の野心的な取り組みは、エネルギーの地産地消のモデルになると思います。福島県の県民参加型の再生可能エネルギーの取り組み、復興に向けた取り組みにこれからも注目していきたいと思います。福岡県も負けないようにがんばりましょう。
*ご参考:福島県のホームページより http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/157807.pdf