気候危機対策調査会を設置

このたび立憲民主党は「気候危機対策調査会」を設置することになりました。私の提案です。このところ国際社会では「気候変動」ではなく、「気候危機(climate crisis)」という言葉を使うようになってきましたが、わが党でも「気候危機対策」と呼ぶことになりました。

かつては「地球温暖化」と呼ばれていました。私が大学生だった1990年代前半はそうでした。ある時期から「気候変動」に変化しました。そして最近では「気候緊急事態(climate emergency)」という言葉も見かけるようになりました。

私が初めて「気候緊急事態」という言葉を見たのは、最近のイギリス総選挙で労働党のマニフェストを読んでいたときです。何となくのイメージですが、「emergency(緊急事態)」という言葉は、「crisis(危機)」よりも緊急性が高い印象を受けます。労働党は火事や災害と同じくらい緊急事態だと認識しているということだと思います。

欧米のリベラル政党は、それくらい危機感(緊急感)をもっています。ちなみにイギリス保守党のマニフェストもさらっと見ましたが、労働党ほどは気候変動への危機感は見られませんでした。日本と同じく、保守政党は経済界寄りで環境政策に後ろ向きで、リベラル政党は環境政策に前向きという構図のようです。

立憲民主党の気候危機対策委員会の趣意書を転載します。

気候変動による生態系や人類への影響を最小限に抑えるためにも気温上昇を1.5℃以内に抑えることが求められている。しかし、パリ協定に基づき各国が提出している削減目標を達成しても、地球の平均気温の上昇を1.5℃はおろか2℃以下に抑えることもできない。人為的な温室効果ガス排出による気候変動の影響により、災害の激化など様々な問題が実際に起こってきており、気候危機が現実化している。気温上昇を1.5℃以下に抑えるため、日本として早期(遅くとも2050年まで)に温室効果ガス排出実質ゼロを達成することが責務である。立憲民主党として、温室効果ガス削減・実質ゼロ化を達成するための政策について議論しとりまとめを行う。

気候変動危機対策調査会の会長は田嶋要衆議院議員、会長代行は近藤昭一衆議院議員、私は会長代理ということで、役員に就任することになりました。立憲民主党有数の知性派・良識派の田嶋さん、近藤さんの下で働かせていただきます。よいメンバーでよかったです。

気候変動対策は、立憲民主党の衆議院選挙公約の柱にすべきだと思います。石炭火力発電所をまだ新設・輸出しようとしている安倍政権とは、対立軸を明確にできます。経団連寄りで経産官僚が牛耳っている安倍政権では、思い切った気候変動対策はできないと思います。せいぜい「気候変動対策には原発が必要だ」という理屈をふりまわす程度でしょう。与党とのはっきりした対立軸を示し、気候変動対策を前に進めるためがんばります。