今朝(1月10日)の西日本新聞報道によると、2018年の株式売買で外国人投資家の売越額が5兆7448億円にのぼったそうです。5兆円超の売り越しというのは、「ブラックマンデー」の米国株式市場暴落の1987年に次ぐ数字であり、リーマンショックのあった2008年の水準を超えているそうです。かなりまずい数字だと思います。
これだけ外国人投資家が日本の株を売っているわけです。外国人投資家が、アベノミクスがうまく行っていないと見ている証拠です。さらに国内の個人投資家もやはり売り越しだそうです。
それなのに東京の株価がそれほど下がらないのは、何か理由があるはずです。好業績企業の自社株買いが盛んだそうですが、それだけで説明するにはムリがあるように思います。どう考えても日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による「株の爆買い」のおかげだと思います。
日銀と年金のお金で株を買い支え、無理して相場を維持している「官製相場」に他ならないと思います。これ以上ムリにムリを重ねたら、株式市場が暴落したときの傷がさらに深まります。日銀とGPIFが大赤字になれば、国民生活への影響も大きいでしょう。アベノミクスが破綻している事実をそろそろ認めて、ソフトランディングの方法を考えないといけないと思います。
私は前々からポスト・アベノミクスの経済政策の重要性を訴えてきました。長妻政調会長も同じ考えなので、政調内で検討を始めています。異次元金融緩和と円安誘導政策には、さまざまな副作用があり、多くの庶民にとってはデメリットの方が大きいと思います。参院選に向けてアベノミクスに代わる経済政策パッケージを用意しなくてはいけません。
そういえば、イギリス労働党の前回総選挙のキャッチコピーが「For the many, not the few」でした。「一部の人のためではなく、多くの人のため」という意味だと思います。とても良いフレーズだと思います。イギリス労働党と似てしまいますが、立憲民主党がめざすべきは「一部の人のためではなく、多くの人のため」の経済政策だと思います。富裕層や経営者、輸出企業のための政策ではなく、働く人や中小零細企業、年金生活者や子育て世代のためになる政策をつくりたいと思います。
*ご参考まで
2017年10月12日付ブログ「ポスト・アベノミクスを考える」
2017年11月26日付ブログ「アベノミクス敗戦からの復興プラン」