4年ほど前に「日本主導でG7からG9(D9)へ」(2020年6月2日)というブログを書きました。
趣旨は以下の通りです。
1)ロシアや中国が参加するG20は機能不全。先進民主主義国が集まるG7の重要性が高まった。民主主義や人権、法の支配を重視する西側主要国で結束する意義がある。
2)韓国とオーストラリアは経済力も増し、先進民主主義国としてG7に参加する有資格国である。
3)G7だと欧州と北米に偏った構成で、アジア太平洋に重心を移す意味でも両国の参加は意味がある。
4)日韓関係は何かとギクシャクしがちだが、G7のような多国間外交の場で話し合えば、よりスムーズに日韓で話し合うことができるようになるのではないか。他の参加国の手前、無理は言いにくいので、日韓の冷静な対話の場が増えることになる。
以上の趣旨は4年前よりも今の方が重要性を増しているように思います。
このブログを書いた直後に朝鮮日報(韓国の保守系大手紙)の取材を受け、私の発言が韓国で報道されました。すぐに韓国の国会の外務委員長(当時)からお手紙をいただき、意外と反響が大きかったことに驚きました。
そして最近になって私の提案を同じことを米国シンクタンクの有力者が言い始めました。
2023年11月9日にロナルド・クレイン(Ronald A. Lain)元大統領首席補佐官(バイデン政権)が、カーネギー平和財団の「G9にすべき時だ(It’s Time for the G9)」という論文で、韓国とオーストラリアのG7への加入を主張しました。
2024年6月14日にはCSIS(戦略国際研究所)のビクター・チャ(Vivotr Cha)とジョン・ハムレ(John J. Hamre)は「G7の再構築(A Reimagined G7)」という論文を投稿し、同じく韓国とオーストラリアのG7への加入を訴えました。
さらに今年(2024年)10月28日に開催された「韓日ビジョンフォーラム」というシンポジウムで尹徳敏(ユン・ドクミン)前駐日大使も「韓米日連帯の中で日本と協力して現在欧州中心のG7(主要7カ国)を韓国・オーストラリアを含むG9に拡大しなければならない。」と発言しました。
<韓日ビジョンフォーラム>「日本、韓国のG7参加を支持すれば韓日関係も安定」(1) | Joongang Ilbo | 中央日報
この人たちが私のブログを読んだとは思いませんが、ひょっとすると朝鮮日報のインタビュー記事は読んだかもしれません。前駐日大使は読んだ可能性が高いです。ひょっとすると私も国際世論の形成にちょっとは貢献したのかも?