今週、カンボジアの超党派の若手政治家との意見交換会に出席しました。河野太郎外務大臣からのご依頼で、自民党から1人、野党から1人(=私)が、日本の政治の現状などについて説明し、質問に答えました。今年の3月に続いて二度目ということもあり、わりとスムーズに進んだと思います。
*ご参考:2019年3月20日付ブログ「カンボジア若手政治家と意見交換」
カンボジアでは政府(与党)が野党を弾圧して、政党を解党させたりという危うい状況にあります。日本政府はそれを心配し、与野党の政治家をグループでいっしょに日本へ招き、与野党の和解につなげようという意図なのだと思います。
政党が異なり、政治的立場が違っても、日本という外国に来て「同じ釜の飯を食う」という体験をすると「同じカンボジア人だ」という意識が芽生えます。パレスチナ問題に関しても、国際NGOなどがイスラエル人とパレスチナ人の交流プログラムを通して和解を試みたりしていますが、それと同じような意図だと思います。
私は安倍外交には批判的ですが、外務省のこのプログラムは評価しているので、よろこんでご協力させていただきました。質疑応答のなかでは、特に弾圧されている野党側の政治家を意識して、次のポイントを強調して説明しました。
1.多数決が正義とは限らない。少数派が間違っているとは限らない。たとえば、米国のイラク戦争やベトナム戦争では、当時の議会多数派の判断が誤っていたことは歴史が証明している。
2.少数派でも勇気をもって発言し、国会の議事録に発言を残すことが大切である。どちらが正しかったかは、歴史が裁く。正しいと思ったら主張し続けることが大切である。
3.日本でも多数派の与党が出す法案は必ず成立する。しかし、反対意見や留意点を国会で表明し、論点を議事録に残すことが大切である。あとで政府与党が間違っていたことを証明できれば、次の選挙で逆転する原動力になる。あきらめずに議論することが大切である。
思いがけないことに、最後に通訳さん(カンボジア人)から「今日は良いお話を聞かせてもらってありがとうございました」と感謝されました。ふつうは通訳さんは陰に徹して自分の意見は言わないものですが、通訳さんが個人的な感想を聞かせてくれました。カンボジアの若い政治家の皆さんの心に残るお話ができたかわかりませんが、カンボジアの平和と民主化の実現を心から祈っております。