高校の講義で使った世界ランキングの第2弾です。今度は経済力です。それも購買力平価でみた世界ランキングをご紹介します。
名目GDPでみる世界ランキングは、(1)米国、(2)中国、(3)日本、(4)ドイツ、(5)イギリス という順で、意外な感じはしません。しかし、購買力平価でみた世界ランキングは、なかなか興味深いです。
ちなみに「購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)」とは、各国の換算物価が等しくなるような為替レートのことです。国によって同じものでも値段が異なるため、内外の価格差を調整し、米国ドル換算で経済の実態を表すものです。実際の豊かさを計る指標として使えます。
1.中国 19.4兆ドル
2.アメリカ 18.0兆ドル
3.インド 8.0兆ドル
4.日本 4.8兆ドル
5.ドイツ 3.8兆ドル
6.ロシア 3.7兆ドル
7.ブラジル 3.2兆ドル
8.インドネシア 2.8兆ドル
9.イギリス 2.7兆ドル
10.フランス 2.6兆ドル
購買力平価を基準にすると、すでに経済力で中国がアメリカを抜いているのが興味深い点です。経済力は規模(量)だけでなく、質も重要です。一人当たりのGDPで比較すれば、中国はまだまだアメリカに及びません。総合的な経済力は、いまだにアメリカの方が圧倒的だと思います。しかし、少なくとも購買力平価でみれば、中国の実力はアメリカと同等になっています。
購買力平価でみた経済規模では、日本はすでにインドに抜かれています。あと10~15年もすれば、名目GDPベースで見ても、日本はインドに抜かれることでしょう。インドの重要性が再認識できます。
購買力平価の経済力をみると、グローバル・ガバナンスにおける重みがG7からG20に移りつつあるのがよくわかると思います。イギリスやフランスよりも、ロシアやブラジル、インドネシアの方が、経済規模が大きくなっています。
一時期は「BRICs」という言葉をよく耳にしました。ブラジル、ロシア、インド、中国の新興経済大国の4か国を指します。しかし、そろそろインドネシアを加えてもよいかもしれません。何と略称すればよいのかわかりませんが。
多くの人にとってなじみがあるのは名目GDPのランキングだと思いますが、購買力平価のランキングをみてわかることも多々あります。いろんなデータを比べてみると、新しい発想が出てくるかもしれません。