安倍総理が消費税増税を2年半延期することを決めました。
だれでも思いつく素朴な疑問は「なぜ2年半?」です。
特に「半」が謎です。中途半端な感じが、あやしいです。
これが「2年」とか「3年」なら切りがいいから、そんなに疑問もありません。
しかし、この「2年半」の特に「半」の部分に何らかの意図が感じられます。
1.経済的側面の推論
G7サミット以来、安倍総理は「景気が悪いから、消費税増税を延期せざるを得ない」という説明をしています。裏を返せば、「景気が回復するまで何年かかるか」を計算した上で、延期の幅を決めるのが筋ということになります。
2年半の増税延期ということは、当初の増税実行予定が2017年4月ですから、2019年10月まで増税を延期することになります。言い換えれば、安倍総理は「景気回復まで3年4か月かかる」という極めて弱気の見通しを立てていると解釈できます。
現段階でアベノミクスが始まってから3年半ですが、さらに3年4か月かけないと景気を回復できないと安倍総理は考えているわけです。7年近くかけないと成果がでないアベノミクスということです。安倍総理はご自分の経済政策に自信がないことがよくわかります。
2.政治的側面の推論
政治のカレンダーを見ると、消費税増税を延期する2019年10月の直前の2019年7月には次の参議院選挙があります。
ここで「半年」が意味を持ちます。もし「2年」にしてしまうと、消費税増税を2019年4月に実行することになり、その直後の7月が参議院選挙になってしまいます。それでは参議院選挙の苦戦は必至です。そのための「半年」であることがわかります。
安倍総理の「次の参議院選挙までは勝てる体制をつくりたい」という意図が感じられます。次の参議院選挙をどうしても勝ちたい理由も何となく推測できますが、これ以上の邪推はやめておきましょう。
以上のように考えれば、「半年」の理由は、経済ではなく、政治にあることがわかります。景気対策というよりも、選挙対策のために「2年半」という結論になったことがわかります。邪道な政治だとつくづく思います。