本日(2月1日)発売の「サンデー毎日」の倉重篤郎元毎日新聞論説委員長の「埋没『立憲』の処方箋」という対談記事で私のコメントが引用されました。
紹介の仕方が「落選者 山内康一」とあり、ちょっと感じ悪いです。「落選者」という肩書はどうかと思います。「落伍者」とか「落ち武者」とかそういう言葉と同じトーンのように感じます。しかし、内容的にはよくまとめていただきました。
先週電話で取材を受けたのですが、なぜか顔写真が載っていて、よく見るとスーツの上着に議員バッチがついているので、おそらく毎日新聞社のむかしの写真データを使っているのでしょう。使われたコメントの一部をご紹介します。
野党は批判ばかりという批判を恐れる必要はまったくありません。野党の役割は二つしかない。権力の暴走を抑えるために政府を批判、監視すること。そして、政権交代した後にきちんとワークする政府を準備することだ。大きな物語を時間をかけて作る。例えば、気候変動にも耐え、環境・経済が両立する持続可能な社会ビジョンの構築など、自民政治の延長線上ではできないところで勝負、参院選でも統一地方選でもワンボイスで発信していくことだ。
ある意味であたり前のことをいっただけですね。だれでも言えそうなコメントです。
足場固めには外交・安保をこれまで以上に重視すべきだ。党のシンクタンクを作り、ワシントンには台湾、韓国、ドイツ並みに党の出先事務所を設置、外交ルートやメディア経由ではなくダイレクトに世界の動きを把握する。台湾、中国双方と交流を強化する独自チャンネルも作る。勇ましい外交が現実的だと思い込んでいる政治家が与党に多すぎる。敵を味方にするしたたかな外交こそ出番だ。
私の持論の(1)政党シンクタンク創設、(2)ワシントンD.C.事務所設置をあらためて強調しました。
自民党議員のなかには「勇ましい外交」イコール「現実的」という思い込みがありますが、幻想です。現実的かつ平和的な外交安全保障政策は十分実現可能だと思います。軍事戦略家のリデル・ハートも次のように言います。
戦争を研究し、その歴史から学べ。可能な限りの強さを保て。いかなる場合でも冷静さを保て。無限の忍耐心を持て。敵を決して追い込まず、常に敵が面子を保てるようにせよ。敵の目から物事が見えるように、相手の立場に立て。徹底して独善を排除せよ-それは自己を盲目にする以外の何物でもない。よくある二つの決定的な思い込み-勝利は得られるという幻想と戦争は制限できないという幻想-から自己を解き放て。
米中戦争は避けられないという議論をよく聞くようになりましたが、リデル・ハートのいう「戦争は制限できない」という「幻想」「思い込み」から逃れなくてはいけません。
そのためには相手を知ることが大切です。相手とは、同盟相手であり、仮想敵国です。アメリカ政治と世界の潮流を知ることなしには、平和は保てません。
ニュージーランド・アーダーン首相の労働党、カナダ・トルドー首相の自由党など、政権与党を担っている世界のリベラル政党を見習い、世界標準に近いものをめざす必要がある。立憲も、反成長、アンチビジネスと言われるのを過剰に警戒してきたが、ある程度開き直りが必要かもしれない。私たちは労働者の側の政党だと。1%のためではない、99%のための政党だと打ち出すことが肝心だ。
一時期のイギリス労働党のキャッチコピーが「For the many, Not the few」でしたが、一部の少数の富裕層のためではなく、多数の中間層・低所得層のための政党であると打ち出すことが大切だと思います。
ご興味ある方はぜひ「サンデー毎日」をご覧ください。他にもコメントしています。