参院選の敗北をふり返る:反省と次への教訓

参議院選挙の福岡県選挙区では野田くによし候補が無事に当選し、選対本部長としての責任はとりあえず果たせたとホッとしております。しかし、全国的にも福岡選挙区的にも決してよろこんでいい内容ではありませんでした。立憲民主党は躍進したと報道されていますが、私の感覚では事実上の敗北です。

改憲勢力が3分の2を切った点はよかったと思いますが、野党の一部を引き抜けば改憲が可能になる程度の減り方でした。これから憲法改正をめぐる政局が激しくなることでしょう。安倍総理の改憲の野望を打ち砕くことはできませんでした。そういう意味では改憲阻止に成功したとはいえません。

福岡県選挙区では野田くによし候補は当選しましたが、順位は3番目でした。野党第一党の責任としてはせめて2番目でなければいけませんでした。力不足だったし、より良いやり方があったと思います。反省しています。

6年前の参院選の当選者の得票(福岡県選挙区:定数2)

(1)松山政司(自民) 958,042

(2)野田国義(民主) 348,250

福岡県選挙区の定数が2人から3人に増え、さらに民主党がなくなったこともあり、単純に比較はできませんが、比較してみます。

今回の参院選の当選者の得票(福岡県選挙区:定数3)

(1)松山政司(自民) 583,351

(2)下野六太(公明) 401,495

(3)野田国義(立憲) 365,634

福岡県選挙区は投票率が異常に低かったのもマイナスに作用しました。特に筑後地方等に大雨警報が出ていましたが、野田候補の出身地でもあり、強い地盤のある地域が大雨被害で外出が難しくなったのは痛かったです。

しかし、それでも3位というのは大いに反省する必要があります。私も選対本部長として反省しています。地域別の得票なども踏まえて、次回に向けた戦術を練り直し、教訓を引き出して3年後に備えたいと思います。

全国的にも立憲民主党は躍進とはいえない内容でした。全国比例区の得票を見てみると明らかです。

2017年(衆議院選挙:比例区得票)

自民党    1,854万票(33%)

立憲民主党  1,107万票(20%)

希望の党     966万票(17%)

2019年(参議院選挙:比例区得票)

自民党    1,771万票(35%)

立憲民主党    792万票(16%)

結党から2年近くたち、準備期間があったにもかかわらず、2年前の衆院選より比例区の得票が減ったのは大いに反省する必要があります。希望の党がなくなった分、立憲民主党の得票は増えて当然でした。にもかかわらず、300万票以上も得票を減らしたことは重く受け止める必要があります。

参院選後にやるべきことは、参院選の結果を深刻に受け止め、十分な反省と戦略・戦術を練り直すことです。これでは政権獲得には程遠いという現実を直視し、真剣に党内で議論する必要があると思います。枝野幸男政権の樹立への道は少し遠のきました。早急に軌道修正する必要があります。