仙台市長選挙では民進党の元衆議院議員の郡和子さんが、自公が支持した与党系候補者に競り勝って見事に当選しました。郡さんは2005年初当選なので同期当選です。よかったです。この選挙結果からわかることは次の通りです。
- 自民党への逆風は止まっていない。
- 小池知事の「都民ファースト旋風」がなければ、野党第一党の民進党は受け皿として機能する可能性がある。
- 当選者が1名の市長選挙は、衆議院の小選挙区と同じ構造である。従って、衆院選を予測する上で参考になり、このままでは自公の議席減は確実。
郡さんを「野党共闘」とする報道もありますが、実は野党陣営は一本化されていたわけではありません。元民進党の元衆議院議員(旧維新)の候補者も出ていて、その候補者が6万票を獲得しました。そういう意味では、野党は分裂していました。それでも与党系候補者が敗れており、この意味は大きいと思います。
与党系候補は選挙戦を通じて政党色を前面に出さず、必死で「自民党隠し」をしていたようです。それでも国政における自民党への逆風が、仙台市長選に大きく影響しました。いまや自民党の支持や公認がハンディキャップになりつつあります。
毎日新聞の世論調査でも内閣支持率が26%にまで下がりました。自民党内で公然と反安倍の動きが出てきています。自民党も昔と変わりました。26%という政権支持率は、歴代の自民党政権と比べれば、特段低いわけではありません。それでも動揺が広がっています。かつての派閥政治全盛期であれば、世論の支持が低くても、派閥の支持があれば乗り切れました。しかし、派閥が弱まり、小選挙区制度で党首の顔が重要になると、ちょっとした支持率低下が大きな反動を生みます。最近は「アベノミクス」という言葉を聞かなくなりましたが、じきに「安倍一強」という言葉も聞かなくなりそうです。