民主主義の後退とNGOの衰退

ここ数年、NGO・NPOへの社会的関心が薄くなり、NGO・NPO業界に活気がなくなってきたような気がしていました。フォーリン・アフェアーズ誌(日本版)9月号の投稿論文を読み、その感覚は私だけではなく、日本だけでもないことがわかりました。

ペンシルバニア大学のサラ・ブッシュ教授(政治学)とブラウン大学のジェニファー・ハデン准教授(政治学)の共著の「非政府組織の興亡-民主主義の後退とNGOの衰退」という論文が、「なるほど!」と納得できる内容だったので抜粋してご紹介させていただきます。

著者は「1990年代は非政府組織(NGO)の黄金時代だった」と言います。国際NGOの予算は拡大し、世界中に事業が広がりました。NGOは国際政治の重要なプレイヤーになり、1997年の対人地雷禁止条約の議論をリードしたのはNGOでした。2003……

政治の動きと分析

民主主義の後退とNGOの衰退

ここ数年、NGO・NPOへの社会的関心が薄くなり、NGO・NPO業界に活気がなくなってきたような気がしていました。フォーリン・アフェアーズ誌(日本版)9月号の投稿論文を読み、その感覚は私だけではなく、日本だけでもないことがわかりまし...
暮らしと経済

社会保障のための負担増支持は7割

厚生労働省が実施した「令和4年 社会保障に関する意識調査」を最近読んで興味深かったので、ご紹介させていただきます。令和4年社会保障に関する意識調査結果について|厚生労働省この意識調査は、20歳以上の人を対象に2022年7月に実施され...
政治の動きと分析

「トラスショック」の次は「高市ショック」か?

自民党内では石破総理の退陣を要求する声が高まり、このまま行くと9月ごろに総裁選挙が行われる可能性が出てきました。有力候補のひとりが高市早苗氏です。仮に高市早苗総理が誕生すると、イギリスの「トラスショック」の日本版が起こるのではないか...
政治の動きと分析

参政党躍進に思う(4)「政治をあきらめない」

英国の政治学者ジェリー・ストーカー氏の「政治をあきらめない理由」(岩波書店)に出てくる、世界68か国の5万人を対象にした調査によると「政治家を信用する」と答えた人はわずか13%だそうです。政治不信は世界共通の現象です。日本だけじゃあ...
政治の動きと分析

参政党躍進に思う(3)「ファシズムの10の柱」

イェール大学で哲学を教えているジェイソン・スタンリー教授の著書「ファシズムはどこからやってくるか」(青土社)にファシズムを特徴づける「ファシズムの10の柱」というのが出てきます。1.神話的過去2.政治宣伝(プロパガンダ)3.反知性主...